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離島の役場職員って何してるの?皆がジョブスになれる島、知夫里島。

こんにちは!
「大人の島体験」というプログラムで、島根県隠岐諸島の知夫里島の役場インターンをしている井上です!

僕が現在働かせていただいている知夫村役場では正規職員募集中です!とはいっても、離島の役場に気軽に応募してください!というのも難しいと思うので、少しでも島のことや仕事のイメージがついて興味を持って頂ければ嬉しいと思い、記事を作成しました。

ということで今回は役場職員の吾郷さんインタビューをしてみました!
離島に暮らす人の話を聞くことも中々ないと思いますので、ふらっと読んでいただけたら嬉しいです!

吾郷さん

仕事について

ーーお名前と役場の担当部署と役職を教えてください
吾郷 均(あごう ひとし)です。地域振興課の主事をしています。

ーーどういったお仕事をされているのですか?
私は商工や観光の係をしています。
商工というのは事業所のサポートをするところで、隠岐諸島は「有人国境離島」として特別な補助金で事業所を支援したりしています。
観光については、知夫里島観光協会と連携してお仕事をしたり、隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進機構と観光の話し合いをしています。

ーー最近は具体的にどのようなことをされているのですか?
商工で言えば、今の時期は、4月に始まる補助金の予算を年末に組むために公募をかけたりしています。民間の企業にとって離島での事業展開は不利な点も多く、こうした補助金は雇用確保などの面でも重要です。
観光に関しては、有人国境の補助金を用いてキャンプの実証実験を現在行っています。実験が終わると今度は実績報告を出す必要があるのでその準備をしています。

ーー仕事の中で知夫里島独自に考えなければいけないことはありますか?
事業所の競争力がないことですね。事業所間の競争がないので経営的な切磋琢磨が難しいというのがどうしてもあります。なので、事業所が自己研鑽する機会を設けるために経営者育成(MG)研修などを実施しています。

ーー競争力ですか
例えば一次産業の農業や漁業では大体、組合という1つの販売経路を通して魚が売られます。なので皆さんが自ら顧客をつかむことは、あまりないです。そうすると、売り先が絞られてしまい、ダメなときはみんなダメになってしまう。

ーー役場としてどのようにサポートできるのでしょうか?
村でもっと宣伝をして売り先を呼び込んだり。あとは、マッチングなども今後取り組みたいと考えています。例えば島根県だとブランド推進課という課があるので、そうした支援機関と提携して商談の機会を設けることによる販路拡大は必要だと考えています。

ーー取り組みをされている中で心掛けていることはありますか?
商工でも観光においても、皆さんが自分の力で稼いでいるという実感を持ちながら働けるようにお手伝いできたらと思っています。実際、コロナ禍で社会情勢がガラッと変わり、飲食店を主な取引先にしていた岩牡蠣などは急に売れなくなってしまうことがあって。(そういうのを見てきて)売り先を自分たちで作っていったり、それを役場が支えていけたらいいと思っています。

ぷりっぷりの牡蠣は島の名産!

島の暮らしについて

ーー吾郷さんは元々島で育ってこられたのですか?
いえ、島根の松江出身です。18歳の時に大阪に行き、10年過ごしました。そこから京都で7年過ごしたのちに、島に来ました。

ーー島に来る前はどういうことをされていたのですか?
大阪では演劇をしていました。そこからしっかりと就職をしたのは27歳の頃です。そこで建築の仕事を始めて、資格を取ったりしていました。
ただ、大手の下請けの会社だったので、リーマンショックや東日本大震災で仕事がなくなってしまって。「あー、大手1社の下請けをしている会社ってこんなに影響を受けるんだな」って感じて。
お給料は貰えてはいたものの、このままではまずいと思って色々求人を探して京都に行きました。

ーー京都ではどういうお仕事を?
演劇を過去にしていたからか、内装を手掛ける仕事が好きだったので、店舗工事のお仕事に転職をしました。町家をカフェにするとか、ゲストハウスにするとか。当時はインバウンドがすごかったので。
ブランドのショップを手掛けるのもとても面白かったです。デザイナーさんが変わっているので、そのセンスを見るだけで刺激的で。
自分は現場監督がしたかったのでその中でデザイナーさんと働けて、自分としては天職だって思うような仕事でした。

ーーその状態から島に…?
嬉しいことに子どもができたんですけど、このまま都会の中で子育てするのは厳しいな、と思ったので当時の会社の社長に「移住したい」と無理やり頼みました。
それで育児休暇を取りつつ、その間に移住先を決めることにしました。

ーー色んな場所を見てこられたんですか?
島根県だけですけどね笑 
結局見たのは知夫里島、西ノ島、隠岐の島、雲南市と奥出雲町です。

ーー(知夫以外の)他の町はどうだったのですか?
そうですね。例えば、候補に挙げた町の1つは自分の母の実家があり、自分としてはどこか町の景色にノスタルジーを感じるところがあり、良いなと思っていました。自然も豊かですし。
ただ、暮らすとなるとどこに行くのも遠くて。冬になると雪が降り積もって雪かきも大変ですし。(町が位置するのが)山なので、クマなど危ない獣がいるっていうのも心配でした。

ーー知夫はどうでしたか?
島が小さいのでどこにでもすぐ行けるのはありますね笑 クマとかイノシシがいないので危ない獣の心配もないですし。狸や牛はいっぱいいるけどね笑
自然に関していうと、自分は「自給自足」的なところに少し興味があったんですけど、農業もできるし、海があるので漁や釣りもできるっていうのが魅力的でした。

牛。臆病なので意外と全然怖くない。

ーー他に知夫独自で魅力的に感じたことはありますか?
一つは初期費用が掛からないことですね。知夫だと家賃相場が2万円とかなので笑
あとは、自分は移住体験(お試し住宅)で島に来たんですけど、島全体が大きくないので地域性がしっかりと見えたというのがあります。他のところだと、町が大きすぎて一部しか知れないことが多くて。でも、この島はいわばコンパクトシティだから笑
なので、全体像をみた上で「ここいいな」と思えて決めました。

ーー島と島外ではどのような違いがあると感じてますか?
安心安全の地域環境があるので子育てには最高の場所だと思います。良い面も悪い面もあるとは思いますが、(村の人同士で)誰が誰かを認識しているので、安心して子供が外で遊べるし、子供がふらふらしていたら心配して見守ってくれます。都会だと常に神経使って子供のことを見ていないといけないので、そこはこの島に来てだいぶ楽に感じています。

あとは服を気にしなくていいのも楽です。住んでいると、スティーブジョブスの理論がよく分かります。毎日の服装を考えるために自分の脳を使いたくなかったジョブスが全身同じ服装で生活していた話です。職場にスーツを着ていく必要がないので手入れも要らない。ポロシャツ2~3枚あれば生きていけます。皆そんな感じなので皆がジョブスになれる島ですね、ここは笑
ただ島外に出るときは皆お洒落していくので笑、そういうメリハリがあっていいな、と思っています

吾郷さんwithポロシャツ

ーー住んでみてギャップとかはありましたか?
田舎は基本的に保守的・排他的なところがどうしても多いのでそういった環境を想像していたんですけど、実際は「おー、どっから来たん!」みたいな感じで結構フランクでびっくりしました。

隠岐諸島の人々は海に囲まれていて、色んな人が島外から来るので、変化を受け入れる姿勢が昔からあったのではといわれています。また、自由にものを手に入れることができなかったので、暮らしていく中で「ないものはない」とポジティブ思考を持つ人が多いと言われています。

あとはおすそ分けの文化とか。都会ではできなかった「気持ちの付き合い」があったらいいな、と思っていたら本当にありました。でもこれはギャップとは少し違うか笑

ギャップでいうと…来る前に生活費の心配がありました。こっちの物価は本土の1.5~2倍といわれていたので。でも暮らしてみたら生活費の支出は案外少ないですね。選択肢が少ないから笑
都会では仕事などの都合でコンビニやいいお店などに行くことが良くあって。そういう消費社会が嫌だったのでこっちはいいですね。お昼ご飯とかも家が近いので帰って食べられるので。

ーー島で暮らす中で一番好きな時間はいつですか?
朝、来居港(島の港)で釣りをするときに見える雲の色を眺めているときですね。日が昇る時の一瞬の輝きが綺麗で。ずっと見ていたくなります。

ーー最後に一言ください!
ここは意外とのんびり過ごせないけど、やっぱりのんびり過ごせる。そんな島ですね。


あとがき

吾郷さんは普段から活発に行動されていて、上述の仕事以外にも島の水産加工場やシェアオフィス建築の打ち合わせだったり、色んなところに顔を出しているイメージがあります。
その顔の広さ故、ずっと前から島におられたと思っていたので、割と最近移住されてきたことを聞いて個人的にびっくりしました笑
話にあった通り、島、そして役場では皆がポロシャツで過ごしています。
役場って堅いイメージがあると思うんですけど、インナーを染めたりしている方がいたり、子どもが学校の発表日だと、「見に行ってきなよー」と言って送り出してくれるくらい、この島の役場はとっても緩いです!(もっというと役場以外も、島全体としてそんな感じで緩いです。)


ということで…
現在、知夫村役場では正規職員を募集中です!
興味のある方は村の求人や下のリンクなどから是非ご応募ください!


みんなにも読んでほしいですか?

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