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離島の役場職員って何してるの?役場の頼れる修理屋さん

こんにちは!
「大人の島体験」というプログラムで、島根県隠岐諸島の知夫里島の役場インターンをしている井上です!

僕が現在働かせていただいている知夫村役場では正規職員募集中です!とはいっても、離島の役場に気軽に応募してください!というのも難しいと思うので、少しでも島のことや仕事のイメージがついて興味を持って頂ければ嬉しいと思い、記事を作成しました。

今回は役場職員の矢田さんインタビューをしてみました!
ふらっと読んでいただけたら嬉しいです!


仕事について

ーーお名前と役場の担当部署を教えてください
矢田豊(やだゆたか)です。建設課に所属しています。

ーー建設課はどういうことをされている課ですか?
ライフラインに関係することをしています。住宅、上下水道、道路の管理、あとはごみの管理、災害対応とかです。高速艇知夫とかもあります。

高速艇知夫は抜港時や緊急搬送などで用いられる知夫の高速船です。
抜港とは船に港が着かないことです。詳しくは、知夫村でyoutubeを投稿されているなぎんこチャンネルさんの動画をぜひご覧ください!

ーー矢田さんは具体的にどのようなお仕事をされているんですか?
僕は他の方のような一般の事務職ではなく、現業職という区分で現場の仕事をするのが主です。技能労務職っていうのかな。事務の人はそれぞれ担当が決まっているけど、その中でどうしても現場に出ないといけない部分があるのでそういうところを僕が代わりに対応してやります。

おもに道路の草刈りをしたり、施設の管理をしたりとか。モノが壊れたときに自分たちで治せるところは直したり。あとは雪が降った時に除雪作業したりとか。

ホテル知夫の近くにおいて、強風で折れたカーブミラー。
この時の後処理も矢田さんが担当してくれました

ーー毎日これをやっているというわけではいないんですね
そうだね、毎日というのはないかな。その日その日で他の課と連携して動いています。例えば地域振興課が担当している赤はげ山の展望台でモノが壊れたとか。そういう時に相談を受けて現場に行って対応をしたりしています。

これといって定まった仕事はないけど、あるとすれば水道の管理日報かな。水道の管理資格者なので、どのくらいの水がどこの地区で流れているかとか、塩素濃度を図ったりしています。

ーー現場で幅広いモノの管理・修理するの大変じゃないですか?
幅広いけど、やっぱり、できるものとできないものがあると思う。
例えば道路だったら、ちょっと穴が開いているくらいだったらホームセンターで売っているような補強材みたいなので補修する程度はできるんです。でも、道路が大きく陥没していたら自分らで直せないのでそれは業者さんに依頼します。

他にも季節によって藻場(もば)が港に押し寄てくるので、その対応は地区ごとに住民にお願いしているんですけど、住民の方で対応しきれないモノに対しては重機で回収したりしています。藻場などの漂着物で船が出れなくなったり、腐って臭いが出てきたりしてしまうので。

ーー仕事の中で知夫村独自の部分はありますか?
他の市町村だとある程度人がいるので役場の人が専門的な分野でやっていることが多いんだけど、こっち(知夫村役場)は人が少ないから幅広くやっている。1人で何個もやったりしてて。

だから「あそこの窓口でお願いします」って事務的な感じじゃない。もう少し住民に寄り添ってというか。何かあったときは「じゃあちょっと一緒に現場行きますか」みたいな感じで。

参考用に、矢田さんではないですが総務課の写真。
総務課に問い合わせがあり、現場で作業しました。

ーー「自分の業務はこれだから」という感じではないんですね
そうだね、どっちかというとそういうの(住民に寄り添うこと)をちゃんとしないとこの島では難しいところがあるかも。そういう人付き合いというか。もちろん仕事も大事なんだけど。

とはいえ役場もできないことは「できない」って言わなければいけない。なんでもかんでも頼まれたことを引き受けてしまうと、それは難しくて。

だから相談を受けたらまずは自分のできることを行動に移して対応する。あとは、挨拶とかそういう基本的なことは心掛けてる。仕事がどうこう、というよりは人としてだけど。

島の暮らしについて

ーー矢田さんはずっと知夫に住まわれていたんですか?
いや中学までしかここ(知夫)は学校がないから、高校からは隣(海士)の島前高校に行ってて。当時は船(定期的に運行する内航船など)がなくて通えなかったから海士町の寮で寮生活をしてた。

そのあと宮崎の方の大学行って、転々として。8年くらい前の35歳の時とかに戻ってきた。

ーーちなみにどのように転々とされてきたんですか?
福祉施設とか旅館みたいなとこで調理補助したり、最後は工場で働いていた。裏方の仕事みたいなものだね。接客業とかじゃなくて。

ーー本土に行ってみて島のことをどう思いましたか?
まあ、この島がなんもないから笑 コンビニとかないから。遊ぶところとか食べるところも限られていて。やっぱり本土にいるとそういうのが真新しいというか。何年も住むとそれが当たり前にはなるけど、やっぱり何でもあるなという便利な感じではあったね。

ただ、知夫にいたときは親しい人が身近にいたりするから、挨拶したりコミュニケーションの場は多かったけど、島から出ると皆赤の他人だから。寂しいじゃないけど、コミュニケーションが減ったかなって思った。

ーー島に戻られた理由はなんだったんですか?
自分は長男だったのでゆくゆくは戻ろうと思ってた。年齢的にも35歳だったから、当時工場で働いていたんだけど、この先このハードな環境でやっていけるのかなっていうのもあった。

あと、少しでも小さいころから親しんできた場所人と触れ合いながら、おこがましいかもしれないけど、何か村のためにできることがあればなと思って。役場だったらそういうことができると思って。

ーー島で暮らしていて一番好きな時間はいつですか?
風呂あがって布団で寝るときです。笑

ーー最後に一言お願いします!
面白い人がいっぱいいるから来てね


あとがき

矢田さんは知夫村で数少ない自転車ユーザーです。知夫村は自動車社会なのでバイクも少ないですし、自転車なんてほとんどいないです。なぜ矢田さんは自転車を貫き通すのでしょうか。聞きそびれました。

都会の地域コミュニケーションと田舎の地域コミュニケーションどっちが好きですか?
自分は都会の「他の人は全員知らん人」状態が大好きです。プライベートが保たれる上、変なことしても噂が回って大変ってこともないし。ですが、知夫に来て田舎のコミュニケーションの良さを知りました。出勤する時に「いってらっしゃい」って声かけてくれたり、道路ですれ違う時に車から手振ってくれたり。何気ないコミュニケーションがあるだけでもめちゃくちゃ嬉しくなれました。矢田さんも子供の頃、島で暮らしていた時に声をかけられて気にかけてくれていると思えることが嬉しかったそうです。
都会もいいですが田舎もいいですね。


ということで…
現在、知夫村役場では正規職員を募集中です!
興味のある方は村の求人や下のリンクなどから是非ご応募ください!