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Wantedlyで採用担当をしていて思うこと

2022.11.19
こんにちは!絶賛人手不足の離島(笑)で求人担当をしているAgoです。
人口減少が進む本村では求人広告や空き家紹介なども自治体が担っているという状況です。
今回はその中の一つ、Wantedlyを使った求人活動と最近の移住動向についてのお話をしたいと思います。

Wantedly(ウォンテッドリー)とは

Wantedlyは、新しい形の求人サイトで給料の記載はNG、過度なコピーも出来ません。記事の掲載頻度が高いと見られやすいというまるでSNSのような求人媒体です。給与や待遇などが記載できないため、やりがいや環境など自社の魅力をどのようにアピールするかが重要になってきます。

地域振興課では経済活性化を図る上で重要と位置づけている三つの団体を中心に求人広告を掲載しています。


ありがたいことに現在でも週に数件のご応募があり、面接をする機会が半分くらいあります。多くは20代前半の方です。30代以上の方は、移住を伴うことをお伝えするとミスマッチとなり面談まで至らないケースが殆んどです。

社会人経験が多くなるほど都市部の生活に慣れてしまい移住するのは大きなハードルになります。
また、ここがポイントなのですが、地方は所得水準が低いため大半の方が減収になります。そうなると地方生活が描けないことで「不安」を通り越し「恐怖」とも言える感情がやってきます。逆に20代前半の方は未知の領域に簡単に飛び込んでしまう様な気軽さを持ってやってきたりします。

知夫里島へ来てくれた2人の若者

知夫村地域振興課は昨年の秋からwantedlyへ積極的な掲載を始めました。これまで2名の方が採用となり移住されました。いずれも20代です。2人に共通することは、面談のあと知夫へ足を運ばれたこと。移住体験施設で生活をして住むことを決め、その後仕事を決められました。

不思議ですよね。

仕事を探して求人を見つけてくれたのに、移住を先に決めてしまって大丈夫???

と誰でも思いますよね。私も最初はそう思いました。

そして、移住の前に何度か尋ねました。

「本当にいいの?生活できそう?コンビニも無いし、ファストフードも無いし、本屋さんも無いよ。飲食店もほとんどないし、遊ぶ場所なんて自然しかないよ。」

この島にはこれらの施設はありませんし、衰退の一途を辿っている終末感しかありません。(笑)

では、なぜ彼らは移住を決めたのか?

移住=永住ではない風土ができつつある?

勿論、できるだけ長く住んでほしいという願いはありますが、私たちはそれをまったく強要しません。とくに大人の島留学制度がスタートしてから意識はすっかり消えました(笑)。むしろ一人ひとりが住み続けたいと思えるようなヒト、コト、モノが増えなければ定住につながらないと考えています。ひょっとするとそんな定住圧のない雰囲気が「行ってみようかな」に繋がったのかもしれません。

知夫里島この5年の間にあった主な出来事

さて、いきなりですが過去5年の島の変化を見ていきましょう。

  • 合同会社島守ちぶり 設立

  • 人口増加率全国1位

  • 若い世代の移住増市町村ランキング全国1位

  • ちぶり保育園 建て替え

  • 一般社団法人ぐるーり知夫里島 設立

  • 知夫村水産加工冷凍施設 始動(指定管理者:知夫里水産株式会社)

  • 特定地域づくり事業協同組合YADDO知夫里島 設立

  • 大人の島留学制度スタート

  • らーめんプロジェクト らあ麺ちぶ里島OPEN

  • 地域活性化企業人派遣

(ちなみに若い世代の移住増については令和4年度4月に大人の島留学生が6名移住、その他にも20代の若者が増えました。)

行政以外にもさまざまなところで変化が起こっています。

  • 知夫おそうじクラブ(海ゴミ清掃ボランティアグループ) 活動

  • お菓子工房 めにーでーる OPEN

  • シルクスクリーン工房 SURUDAWAI OPEN

  • 小料理屋どんどん OPEN

  • 民泊 小新家本店 OPEN

  • 島唯一のカフェ のらり珈琲 OPEN

  • ドナの知夫里島さざえコロッケオンライン販売スタート

  • フランス料理店 ShezSAWA OPEN

細かい変化で言えばここでは書ききれないくらい多いのですが、新しいものが生まれ古いのもが消滅していくという姿が目立つように思います。

こうして書き記すと、とても盛り上がっている島だと感じますね。この目まぐるしく変化する知夫里島に魅力を感じる方もいるでしょう。

しかし、行政の施策だけで言えば、組織が増えれば人手不足や経営面に大なり小なり問題が出てきます。誤解を恐れずいえば私は移住4年目の若輩者として、実際住んでいてそんなに大きな変化を感じません。(行政職員ですから特に感じ取りにくい立ち位置ではあるのですが…)それは、生まれて消えるサイクルの早い都会と比べて変化を感じないという意味ではなく、化学反応を感じないからです。


早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け

この島には化学反応が起きる風土はまだまだ作られていないと感じます。(勿論みなで行くことが全てではありません。)
まだ何も作られていない、誰も手をつけていない手つかずの島。それはやっぱり魅力的で可能性のかたまりです。だから遠くへ行きたい人が増えてくると化学反応を期待してしまいます。そしてこんなにワクワクさせてくれることはありません。

地域は変えるものではなく、変わっていくもの

よい言葉ですね。これはお隣海士町の方が言っておられた地域活性化の本質を捉えた言葉だと思います。だからこそ島の生活を気に入ってくれた人たちが、暮らしを持続させるために何ができるかを考えていくことが地域の変化になっていくのだと思います。

ここにしか無い仕事は無い。でもここにしか無い暮らしが有る。

なぜなら、ここにしかいない人がいて、ここにしかない何かがあるから。

島の人はこんな事を言います。「こんな離島で若い時に楽をすると都会では通用しなくなる。」

本当にそうでしょうか?たしかに競争環境は少ない。しかし、逆に競争を作らせない環境というものがあったりしますし、開拓者の足を見っぱる風潮が無いとは言えません。なぜこれまで人口が減り産業が衰退してきたのか?時代のせいだけでは片付けられない変化が生まれにくい風土があったのではないでしょうか。しかし、この5年間で生まれてきた新たな芽はぐんぐん成長しています。

経済活性化→地域活性化

早く荒っぽく進んできたこれまでの流れは停滞していた空気を確実に動かしています。(その分労働力不足は顕著になっています)
移住者が増え、経済が活性化すると見えてくる新たな地域のあり方。
まずはこの狭い島に大きな風が吹かなくても空気が吸える環境ができることが大切だと考えています。

余談

行政なんて重箱の片隅にいるくらいの存在でいいわけです。この島の主人公はこの島に住む人です。いずれは行政の後に人がついてくるのではなく、人の後に行政がついてくる。重箱の隅で、居たことを忘れられるくらいの存在になれることを願って、日々求人活動に取り組んでいます。

よろしければご応募をお待ちしています(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました!

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