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知夫の観光事情は?島前3島で観光規模を比較してみた

2022.9.16
皆さんこんにちは!Agoで~す。

前回の空家シリーズから変わりまして、知夫の観光の現状をご紹介したいと思います。新型コロナウイルスの感染拡大によって、この2年間観光のお客様はほとんど来島されませんでした。
昨年の春ごろは、あらゆる予約や問い合わせの場面で「どちらからご来島ですか?」「首都圏からは今はちょっと・・・」などとイヤな質問をしなければいけなかったです。思い起こせばツライ2年間でしたね。

知夫にどのくらい観光客が来島するのか?

さて、観光目的で来島される方の数ですが、年間どれくらいいるのでしょうか?

実はこれ、

そんなに把握できていません。。。

島根県に四半期毎の観光動態を報告をしていますが、カウントできる場所が少ない(観光関連施設がほとんど無い)ので来居港のレンタカーやe-bikeの貸出件数を使って報告をしています。島へはフェリーしか来れないため正確な数が分かりそうですが、内航船で来島される方や本土からのチャーター船を使う方もいらっしゃいます。

ですので、この控えめなデータで過去10年の来島者数を見ていきましょう。

島根県観光動態調査結果のデータをグラフ化https://www.pref.shimane.lg.jp/tourism/tourist/kankou/chosa/kanko_dotai_chosa/

これまで、レンタカーの運営会社が変わったり、台数の増減もあるので本当にざっくりとした目安ですが、令和元年と2年では6分の1に減りました。
今年は体感的にはかなり観光の方が増加した印象ですが、まだまだ少ないです。これからどんどん観光の方に来島していただきたいところです。

知夫の観光地といえば

誰もが知っている(はず)有名な場所といえば、やっぱり

①赤ハゲ山
標高325m、知夫村の最高峰で、遠く 島根半島から島前、島後の島々の大パノラマを一望することができます。
毎年5月から6月にかけて野だいこんの花が淡紫色に咲き覆い、その 牧歌的風景はおとずれる人を魅了します。
また、赤ハゲ山は放牧地となっているためたくさんの牛を見ることができます。

赤ハゲ山山頂にある展望台
山頂から南側を見た風景


②赤壁
知夫里島の西側海岸線に位置する高さ50から200mの絶壁。昭和10年(1935年)に国の名勝天然記念物に指定され、国の特別保護地区となっている絶景地。
普段見ることができない火山の断面を覗くことができる珍しい場所です。
島民は「あかかべ」や「あかたき」と呼んでいました。

遊歩道を5分歩くと断崖絶壁が広がります
船から見るとえぐれた岩肌が迫ってきます

以前にマギーが赤壁を深掘る記事を書いていました。この地層って結構すごいんですね。
(最後にもう一度リンクを貼っておきます)

で、知夫の観光といえば多くの方がこの2大名所を見て、約90分島に滞在し帰られます。その他にも島津島や知夫里島灯台、渡津海水浴場など景色の良いところがあるんです。が、赤ハゲ山や赤壁と比べると移動距離が若干長いため(本当に若干です!)、心理的に行くのをためらう傾向があります。
あとは、隠岐全てに言えることですが、寺社仏閣が多く残っていますので、興味のある方は楽しめると思います。
しかし、いずれにしてもほとんど景色しか売りがない・・・


観光の受け入れ体制が不足している

今、知夫村で観光にかかわる業態といえば

①体験メニュー 4件
②レンタル関係 2件
③旅館、民泊 8件(休業中を含む)
④お土産品製造 大小合わせて10件程度
⑤飲食店 8軒(季節営業を含む)

下へいくほど島内需要が高くなります。
(島の人は本土(本州)へ行くことが多いため、島のお土産を買う機会も多い)
上へいくほど観光のお客様に来ていただかないと売上が増えない業態です。
飲食店は島の人が日常外食をする場にもなります。今年の4月以降に飲食店が3軒OPENしてとっても便利になりました。(島民喜んでます!)

上の数を見ると小さい島なのに宿も飲食店も結構あるように感じますが、多くが兼業でされていたり、期間限定でお店を開けられていたり(コロナの影響です)で実際に知夫里島へ来島したときに食べに行けるお店は常時2~3軒あればよいといったところです。そして、夜の食事になると1軒開いているかどうか・・・

沢山の方に来ていただきたい!来てくれてありがとう!という気持ちと、期待外れだったらどうしようという気持ちが入り交じる。
知夫里島の人たちはそんな複雑な心境で来島される方を見守っています。

来島して最も困るのは・・・交通!

軽の他にワンボックスや10人乗りハイエースがあります

昨年から運行している村営タクシーですが、観光のニーズもあるためできるだけ対応しています。
知夫里島では交通空白地有償運送としてバス・タクシーを運行しています。ハイシーズンにスタッフ・車両を増員して対応できる体制が整っておらず、今年のGWや7月、8月は交通難民の方が多数いらっしゃいました。(…みなさま申し訳ありません)

さて、ここまで知夫の観光事情についてお届けしてきましたが、次はお隣の島々と比較してみましょう。

観光地としての知名度が高い西ノ島町と近年、来島者が増加している海士町

島根県観光動態調査結果のデータをグラフ化https://www.pref.shimane.lg.jp/tourism/tourist/kankou/chosa/kanko_dotai_chosa/

令和元年から海士町の入り込み客数が西ノ島町を抜いています。海士町すごいですね。ただ、統計の対象が知夫と同様、特定施設とレンタル関係の貸出のみであれば、現実と若干乖離しているかも知れませんね。

データを見ると令和元年で6万人近い方が島前3町村で観光をされていますので、他の島へ来られた方が気軽に知夫里島も見て楽しんでいただけるようにしていきたいですね。今年は来島者数が回復基調にありますので、来年以降はさらに期待ができます。

赤ハゲ山からの夕日

知夫は景色しか売りがない(このままでいいのかぁーーー!!)


隠岐は日帰りで行くことが難しいですから、やはり宿泊施設が重要なのですが、コロナ禍でどこの宿も収入、人員共に大変な思いをされています。(全国的にそうですよね)
それでは、次は過去10年間の宿泊者延人数を見てみましょう。

島根県観光動態調査結果のデータをグラフ化https://www.pref.shimane.lg.jp/tourism/tourist/kankou/chosa/kanko_dotai_chosa/

H27年に驚いてしまいましたが、やはり西ノ島町は観光の規模が違いますね。。。
ちなみに海士町と西ノ島町では宿泊定員(町の宿泊施設の定員の合計)が海士町に比べ2.7倍です。
知夫村と西ノ島町では、8.5倍!!!(人口は4.5倍なのに。。。)
それだけ西ノ島町は観光にかかわる産業が発展しているということですね。

ほかにも色々と比較してみたいところですが、長くなったので今日はここまで(ものすごい中途半端な・・・)
これまで、団体客を多く呼び込む手法で収益構造を作ってきた観光ですが、今後は少人数の観光とどう向き合うかが課題とされています。そういった意味では知夫は最適な場所なのかもしれません。

余談
観光が知夫の大きな収入源になることはないでしょうが、観光交流から波及する良い効果が島の幸せ度を上げてくれることに、とってもとっても期待をしています。知夫村の観光は一度消滅の危機に合いましたが、今再び芽を出し始めています。

次々と新しいアクションが起こっているムードって開放的で楽しいものです。このムードの中、次はどんな変化が起こるのか?

これからの知夫に期待してください!!

最後までお読みいただきありがとうございます☆


赤壁のリンクです。詳しく知りたい方はご覧になってください。

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